2003年1月12日 「アルファベットで“マーニャ”、どう書く?」

 

僕はデザインが好きだ。

それを生業にもしている。

僕がデザイナーという職業を意識しはじめた頃は

世はまさにタイポグラフィ全盛期。

デザインフォントが世に溢れ、

デザイン集団「Groovisions」や「Tomato」が話題になったのもこの頃。

文字の並びが大好きなんだ。

…フェチなんだ。

だから、キャラの名前をアルファベットで表記できないのは大問題。

デザインの幅がすごーく限定されちゃうのだ。

本末転倒だって?

 

とりあえず「マーニャ」で検索。

うーん。思った通りドラクエサイトばっか出てきたぞ。

熱心にデータベースを作ってる人もいる。すげえ。

でも肝心の英語表記になると、各サイトばらばらみたい。

マーニャに限って言えばどうやら「Mana」で流通してる様子。

「Mana」? マナ? それって公式?

英語版「ドラクエIV」はそうなの?

 

ドラクエを除いて見ていくと「ダヌーツ・マーニャ(danut manea)」という

ルーマニア出身のヴァイオリニストを発見!

「Manea」?

これで「マーニャ」って読むの?

…どっちかってーと、「ミネア」っぽくない(笑)?

それに名字じゃん。あの辺の国って男女で名字が変わるんじゃあ…?

そういえばドラクエ世界の住人って名字ないね(笑)。

 

次に思いついた手がかりは「アナスタシア」や「ナターシャ」などの

ロシア系に多く見られる名前。響きが似てるでしょ。

調べてみるとそれぞれ「Anastasia」「Natasha」。

ありゃ、それぞれ違うぞ。

僕の予想では「シア」と「ーシャ」は同じ綴りだと思ってたのに。

でも収穫もあった。

アナスタシアは幼い頃「アーニャ」と呼ばれていたらしいのだ。

目の付け所は間違ってない、かも。

そこで今度は「ロシア映画>マーニャ」で検索。

お、結構出てきたぞ。

調べていくうちに、ロシアの女の子が幼い頃、愛称として

「マーニャ(聖母マリア)」と呼ばれるらしい事が判った。

綴りは「Маруся」…読めないって(笑)。

英語化形だと「Manya」だって。そりゃそうか。

キュリー夫人も少女時代は「マーニャ」という名だったそう。

当時のポーランドはロシア帝国が支配してたのだ。

 

任天堂の名作RPG「ファイヤーエムブレム 聖戦の系譜」にも

「マーニャ」というキャラクターが登場するけど、

こちらはまさにロシア語「Manya(苦い)」が語源だそう。

公式設定にはhが入って「Mahnya」と書くらしいけど、

ライバルキャラの「パメラ(Pamela)」はロシア語で「蜂蜜の様に甘い」だから、

まあ間違いなさそうだ。

 

てゆーか、よく考えたらロシアってなんだよ。

褐色の肌の踊り子が、なんでロシアなんだよ。

「ドラクエIV」つったらスペインでしょ!

…そうか。スペインだ!

「エスパーニャ」とかいうしね。「マーニャ」もあるかも。

その線で調べてみると、ディアマンテス(バンド・沖縄出身)が

「HASTA MANHA / アスタ・マーニャ(明日への子守歌)」

という曲を唄っていることが判った。

「Manha」で検索。

すごい数のヒット。そしてそのほとんどが

「黒いオルフェ / MANHA DE CARNIVAL(カルナバルの朝)」

という曲によるものだ。

え、「黒いオルフェ」? 有名じゃん。

てコトは「Manha」は「朝」?

で、この「MANHA DE CARNIVAL(カルナバルの朝)」って曲、

もともと「黒いオルフェ/1959年/フランス・ブラジル」って映画の挿入歌で、

その映画の内容ってのが、リオ・デ・ジャネイロを舞台に

「ギリシャ神話「オルフェ」の物語を

オール・ブラック・キャストで現代によみがえらせ…」

というもの。全編通して「カーニバル!」ってカンジ。

うん! 「マーニャ」のイメージに近いかも!

なにより「MANHA DE CARNIVAL」ってのがイイ!

なんか「マーニャでカーニバル!」みたい(笑)。

マーニャ本のタイトルにしようかな。

というワケで「マーニャ」の綴りは

「Manha」に決定(非公式)!

 

でもブラジルってポルトガル語圏じゃあ…?