子供の頃は作文がキライでした。
2004年4月10日 “ソメイヨシノの怪しい魅力”
先日、知人と福島県にある猪苗代湖に出かけた。 東北自動車道を北上する、片道3時間ほどのドライブだ。 猪苗代といえば会津磐梯山の麓で、 たくさんあるスキー場はゴールデンウィーク頃まで 滑走が可能なのだそうな。 その日はポカポカ陽気だったけれど、 たしかに磐梯山はまだまだ雪化粧だった。 また、桜も関東では満開のピークを過ぎたけれど、 福島は今が盛りといったカンジで、 それはそれは気持ちのいいドライブだった。
この時期になるといつも思うのだけれど、 日本人は本当に桜が好きだねえ。 もちろん僕も大好きなんだけど、クルマを走らせてみると、 街の至る所で桜が咲いていて、 普段気にとめていない樹木が、 ああ、あの木は桜だったんだなあ、と あらためて気が付いたりする。 それは山のなかにあっても同じで、 普段は他の樹木に埋もれているのに、満開のこの時期だけは、 “わたしはここにいるぞ!”ってカンジに、 強烈に自己主張してくれる。かっこいいぜ。 惜しげもなく、しおれるより先に散るところも、 潔い武士のようで、日本人好みなのだろうなあ。
ところで、猪苗代湖へ向かう途中、助手席の友人が、 山の中に他の樹木にまじって一本だけ生えている満開の桜を見て、 あの桜は勝手に自生したのか、 それとも誰かが植えたのか、と呟いた。 その時は答えが出なかったのだけれど、 後日その答えを知ってちょっとビックリした。 ソメイヨシノはクローン植物 クローンですか! うーん、いい響き(笑)。 なんでも、桜の代名詞ともいえるソメイヨシノ(染井吉野)という品種は、 江戸時代の植木職人が、オオシマザクラとエドヒガンザクラを 人工的に掛け合わせて作ったのが起源だそうで、 それゆえに自然に繁殖する能力はないんだって。 さくらんぼができないってことだね。 で、たった一本の木から接ぎ木を繰り返して、 全国に広まった、ってことらしい。へえ。へえ。 ある時期いっせいに咲き出すのも、 すべてのソメイヨシノが同一の遺伝子だからなのだそう。 なるほどねえ。
子孫を残すことの出来ないソメイヨシノは、 その美しさで人のこころを魅了することのみが、 自己を増殖させるための唯一の手段、というわけだ。 必死だよ、ヤツら。
ところで、今から数年のうちに、全国のソメイヨシノが いっぺんに枯れてしまうかもしれない、 という学説がある、らしい。 なんでもソメイヨシノは短命で、手入れをしないと 60年くらいで寿命を迎えるそうなのだけれど、 全国のソメイヨシノの殆どが、戦後の復興事業の一環として 一斉に植えられたらしいのだ。 なので、ぼちぼち寿命ってわけ。 そりゃあ、ちょっとこまるねえ。
これまでの日記はコチラ。 2003年01月12日 「アルファベットで“マーニャ”、どう書く?」 2003年05月15日 「ネコは野生を忘れない」
おいおい、どんどん更新ペースが落ちてるぜ。 “月記”なんてコトバ、ないよねえ。
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