2003年2月3日 “スペースシャトルの爆発事故”

 

スペースシャトル・コロンビア号がアメリカ東部時間1日午前9時、

宇宙空間で16日間のミッションをこなし地球へ帰還する途中、

大気圏突入時の摩擦熱に耐えきれず爆発・炎上、

空中分解を繰り返しながら落下、消息を絶った。

クルー7名の安否は不明だが、絶望的だという。

 

スペースシャトルの墜落事故は歴史上これで2度めの出来事だ。

最初の事故は17年前、チャレンジャー号が打ち上げ・上昇中に、

ロケットの燃料に引火、大爆発を起こした。

やはりクルー全員が亡くなった。

僕はその時小学生だった。

大好きだった担任の先生が朝のホームルームで、

「スペースシャトルが墜落したぞ」

と教えてくれて初めてその事実を知ったのだった。

その時の先生の口調まではっきりと覚えているのだから、

よほどショックだったのだろう。

授業中もチャレンジャー号はどんな最後を遂げたのか気になって、

ほとんど授業内容が耳に入らなかった。

飼っていたネコが死んだ時のような、泣きそうな気分だった。

下校すると夜中までニュースを食い入るように観た。

新聞や雑誌を読みあさり、とにかく情報を集めた。

 

なぜ、こんなにもショックなんだろう。

宇宙飛行士が死んだからだろうか。それもあるだろう。

 

でも一番の理由は多分“希望”が粉々に砕けた気がするからだ。

 

宇宙船スペースシャトルは“希望”の象徴なのだ。

ロケットや人工衛星やアポロは使い捨てだ。

ポーンと打ち上げて終わり。

でもスペースシャトルは違う。

宇宙飛行士が乗り込み、荷物を積んで、ロケットで宇宙へ飛び出し、

地球の周りを何回も廻って、積み荷を降ろして、

大気圏を抜けて滑空しながら地球へ降下し、

再び基地へ帰還する。

そして整備された後、また宇宙へ。

それはまさに人が想い描く輝かしい未来そのものだ。

その輝かしい未来が爆発し、砕け散った。

 

乗組員7名のご冥福を心からお祈りいたします。