2003年2月6日 “おとなになって再び観てみる”

 

ひさしぶりに宮崎駿作品『魔女の宅急便』を観た。

いやあ、やばいわ。おもろい。

泣いた泣いた。いろんなとこで泣いた。

見習い魔女・キキが、すぐヘコたれるんだ。

でも、その度に必ず彼女をはげましてくれる人がいる。

そういうところで特に泣いたなあ。

 

『魔女の宅急便』を最初に観たのは、僕がキキと同い年くらいの時だった。

あの頃の僕は、キキが知らない街に飛び込んでいくのがうらやましかった。

退屈な学校を飛び出して、冒険がしたくて仕方がなかったからだ。

つまり、そういう映画だった。

 

今、おとなになって観ると、ずいぶん印象が違うねえ。

ひとを受け入れる難しさ、受け入れてもらう難しさ、

厳しくされる事のつらさ、くやしさ、

そのひとにやさしくしてもらえた時のうれしさ。

そういうのが、判らなかったんだろうね。

 

こないだ『マディソン郡の橋』を観直したときも感じたなあ。

最初に劇場で観たときはハタチそこそこの若造だったから、

ラストで写真家について行かない奥さんが許せなかった。

欲しい物は必ず手に入れないと気が済まなかったし、

そのために何かを失う覚悟みたいなものから、

目を背けていたから。

 

経験によって新しい感動に気づくのなら、

歳をとるのも悪くないもんだ。

 

逆に言えば、子供の頃に感じた感動ってのは、

決しておとなになってからじゃあ味わえない、ってことだよなあ。

あの頃だって浅はかながら、いろんな事が眩しく見えたもん。

 

もっと、いい映画をたくさん観ておけばよかったなあ。