2003年1月30日 “季節はずれのくだもの”

 

先日『抹茶日和』のゆうきさんとファミレスでメニューを見ていて、

デザートを選びながら、ふと“苺”のデザートが多いことに気が付いた。

“旬の苺が勢揃い!”みたいなことが大きく書いてある。

なんだか、気になる。

ゆうきさんに「苺の旬って冬?」とたずねると、

「冬だねえ」との答え。

試しに「初夏?」と聞いてみると「苺といえば1月でしょ」と、ゆうきさん。

僕は思い違いをしてたんだな。

その時はそれで話は終わった。

 

後日ゆうきさんが、苺の旬はやっぱり初夏だと訂正してくれた。

…いや、訂正ってのはヘンだ。現に、1月は間違いなく苺が旬なんだから。

ま、要するにハウスものの旬が今頃で、初夏に出回る苺は畑育ちってことだ。

ゆうきさんはそこらへんの市場に敏感だから毎年冬のこの時期に、

ハウス苺が出荷されてくるのを経験で知っていて、

僕はといえば、たいして苺に興味を持っていないから、

「苺?初夏でしょ」と、知識の枠だけで答えを出していたことになる。

経験は知識に勝る、と僕は日頃から思っているから、

この場合、僕が浅はかだったなあと、ちょっと反省した。

 

では、なぜゆうきさんは“苺の旬は初夏”だと気づいたのかというと、

これがまた経験に基づいていておもしろい。

ゆうきさんは幼い頃を東北ですごした。

そしてその頃暮らしていた家の庭で苺を栽培して収穫していたそうだ。

ところが、いくら思い返しても白い雪をかき分けて苺を収穫した記憶はない。

もし1月に収穫していたならば、東北は間違いなく銀世界にあるからだ。

 

僕らは生まれながらにして、ハウス栽培の恩恵を受けている。

キュウリやトマトといった“夏野菜”を、一年中好きなときに食べれる。

それを“季節感の薄弱”と嘆くひともいるかもしれないけど、

僕は単純に“便利な世の中”でいいんじゃないかなあ、と思う。

それに、季節感が無くなる、なんてことはゼッタイに無いよ。

イベントが大好きな僕らは、いつも季節の訪れを心待ちにしているから!

 

雪の中から苺が出てきたらかわいいだろうねえ。